スキップしてメイン コンテンツに移動

UbuntuでAMD Ryzen 5 2400Gを使うのは少なくともUbuntu 18.10がリリースされるまでは待ったほうがいい(18.10でも駄目みたい・19.04なら大丈夫そう)

起動中にフリーズしてしまう。Linuxカーネルやドライバがまだ対応できていないようだ。
マザーボードはASRock AB350M-HDV。
レスキューモードなら起動する。起動するのはレスキューモードのカーネル起動オプションのnomodesetが効いているらしく、通常起動でもnomodesetを付けると普通に立ち上がる。カーネルモードセッティングが無効化されるというオプションらしい。
/etc/default/grubのGRUB_CMDLINE_LINUX_DEFAULTパラメータにnomodesetを追加してgrub-updateを実行すると次回から反映される。
これで起動は失敗しなくなるが、1日に1回ほどフリーズする。フリーズはFirefox使用時に発生する。動画再生などGPUに負荷がかかる作業の時のフリーズが多い気がする。フリーズ時、ログに痕跡は残っていない。
他にもサスペンドすると復帰できないという問題は残っている。glxinfoで見る限りGPUの名称は認識されていない。
同様の症状はPhoronixのフォーラムなどで議論されていた。そのうち解決策が書き込まれるかもしれない
Phoronix Forum - Ryzen 2200G Still Not Reliable in 4.18rc2, when will it work?

他に疑わしいことはないのか

起動しない時のログを見ると「Namespace lookup failure, AE_NOT_FOUND……」というエラーが派手に出ており、不具合はそれのせいかと思って調べたが、とりあえずこのエラーは立ち上がらないこととは無関係らしい。マザーボードのファームウェア側の問題らしいので、新バージョンが出たらアップデートしてみる予定。

Mesa 18.2とLinux 4.17で安定して稼働するようになるらしい

Phoronixの記事によると、Mesa 18.2とLinux 4.17で安定して稼働するようになるらしい。Ubuntu 18.04 LTS は標準でMesa 18.0とLinux 4.15の組み合わせ。
Phoronix - Raven Ridge With The Ryzen 5 2400G On Mesa 18.2 + Linux 4.17 Is Finally Stable
Reddit - Ryzen 5 2400G is stable on Mesa 18.2 + Linux kernel 4.17

準公式PPAを使ってMesaのバージョンを18.1に上げてみる


これは症状に変化なし。nomodesetオプションも外せない。

最新版カーネルをインストールしてみる

UbuntuのMainlineBuildsを使って最新版カーネルをインストールしてみる。Linux 4.18.0〜4.18.5は変化なし。フリーズの頻度は減った気もするが、しなくなるわけではない。
4.18など最新のカーネルをインストールするとgnome-system-monitorなどのsnapアプリが起動しなくなる。これはsnapのsnap coreのリリースチャンネルをedgeに切り替えて新しめのバージョンを使うことで回避できた。

Phoronixの成功例と同じPPAを使って開発版のMesaを入れてみる

https://launchpad.net/~paulo-miguel-dias/+archive/ubuntu/mesa 2018年8月27日現在の提供バージョンは更に進んでいてMesa 18.3。
GPUが認識される。nomodesetオプションを外しても立ち上がるが、2回に1回以上の結構な頻度で起動時かシャットダウン時にフリーズする。一旦立ち上がってしまえばまだフリーズを経験していない。
Mesa 18.3ではnomodesetオプションを付けるとgdmのログイン画面が起動しない。
これらの症状はカーネルバージョン4.18でも4.15でも同じ。
出たばかりのLinuxカーネルバージョン4.19RC1をインストールしてみたところもしかしたら起動、シャットダウン時のフリーズ問題は回避できたかも。インストール後1日ほどフリーズを経験していない。(その後2回フリーズ。Firefoxでホイールスクロール中。ログにエラーメッセージが残るようになった。)
このMesaのPPAはバージしようとするとEmacsなどMesaに関係なく思えるパッケージも一緒にパージしようとするので気軽に消せない。導入は慎重に検討したほうがいい。1日に1回くらいフリーズさせながらUbuntu 18.10を待つのが良いのかもしれない。

(追記)Ubuntu 18.10で結局どうなったか

起動時にnomodesetオプションを指定しなくても立ち上がるようになった。しかし、1日に1回程度フリーズする不具合は無くならなかった。
18.10が標準で提供する4.18系列のLinuxカーネルではフリーズが止まないが、18.10に最新版のカーネルを組み合わせることでフリーズ頻度が大幅に下がる。特に4.19-rc8からは著しく改善したように感じられる。4.19-rc8の変更点を眺めてみてもRavenRidgeの安定性に寄与しそうな改善点は見当たらないのが謎である。
とは言っても完全にフリーズしなくなるわけではないのでUbuntu19.04が出るまで待ったほうが良いと思う。
(追記)
4.19(正式リリース)及び4.20-rc1以降は全くフリーズしなくなった。
ext4ファイルシステムが頻繁に壊れ、fsckの実行を要求されるようになったが、それはまた別のバグの話で2018年12月中旬以降はそれも解決された。
Ryzen 5 2400GにはUbuntu 18.10にlinux 4.19.10以降のカーネルをインストールして使うのが良さそうである。

(追記)Ubuntu 19.04なら大丈夫そう

カーネル5.0が採用されているUbuntu 19.04ではフリーズから開放される。リリースから間もない2019年4月20日時点ではエラーが色々発生するが、Ryzen Gとは関係無さそうなものである。

コメント